2026年対応ガイド|古物商とは何か・許可の要否・本人確認義務・取引記録義務と実務対応

中古品をビジネスとして取り扱う場合、日本では「古物商許可(こぶつしょうきょか)」が必要です。古物営業法は盗品の流通防止と迅速な発見・被害回復のために設けられ、近年、本人確認義務や取引記録義務の対象が拡大されています。本記事では、2026年の最新法令・規則・実務動向に基づき、許可要否から日常の義務、実務上の注意点まで詳しく解説します。  

1.古物商許可制度の基本

「古物商」とは、営利目的で中古品(古物)を買い取り、売却・交換・委託販売等の営業を行う事業者を指します。これらの行為を行う場合、事前に都道府県公安委員会の許可を受けなければなりません。 古物営業法の目的は、盗品等の市場流通を防止し、犯行発覚や被害回復を迅速化することにあります。そのため、取引の透明性確保が重点となっています。

1-1.「古物」の定義

古物は法律上次のいずれかに該当するものです:
  • 一度人の使用に供された物品
  • 新品であっても一度取引された物品
  • 修理・手入れにより再販可能な状態の物品
これは、中古品の定義が広く、例えばブランド服・家電・時計・書籍・カメラ等が該当します。なお、フリマアプリ等での販売でも、事業的に継続して利益を得る行為は古物商営業と解釈されます。

2.古物商許可が必要な事業・取引

古物商許可が必要となる代表的な取引は以下のとおりです:

2-1.買取・販売

一般的な中古品の買取りと販売は古物商許可が必要です。せどり等も事業性が認められる場合は許可対象となります。

2-2.修理・整備後の販売

買取後に清掃・修理・整備等を行い、再販する場合も古物商営業とされます。

2-3.委託販売(手数料による取引)

商品を買い取らず手数料を得る委託販売でも、古物商営業に該当します。

2-4.交換取引

中古品を他商品と交換する取引も法的には古物商営業と扱われます。

2-5.レンタル(買取後)

買取後にレンタル用として提供する場合も許可対象です。ただし新品の購入品のみをレンタルする場合は古物商許可は不要です。

2-6.輸出取引

国内で購入した中古品を海外で販売する場合も許可必要です。

3.古物商許可が不要なケース

以下の取引は原則として古物商許可不要です:
  • 自己使用した物品の売却
  • 無料で入手した物品の販売(仕入れ無し)
  • 販売相手から直接買い戻す取引
ただし、事業として継続的・営利目的で取引している場合は許可要件が適用される可能性があるため、管轄の警察署で個別相談が推奨されます。

4.本人確認義務と帳簿記録義務(2025年規則改正の影響)

2025年10月1日より「古物営業法施行規則の一部改正」が施行され、本人確認および取引記録義務の対象範囲が拡大されました。これにより、従来は「合計額1万円未満の取引」で免除されていた一部の金属製品等でも、例外なく本人確認・帳簿記録が必要となるケースがあります。

4-1.本人確認義務の対象拡大

従前は高額取引に限定されていた本人確認義務が、取引対象の物品によっては金額の大小に関わらず義務化されました。この対象拡大は盗品流通防止を強化する観点から導入されています。 本人確認は、取引相手の以下の情報を確認し、記録します
  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 職業

4-2.取引記録義務のポイント

古物商は、以下の事項を帳簿や電磁的記録等に記載して、原則として3年間保存しなければなりません。
  • 取引年月日
  • 古物の種類・特徴
  • 相手方の確認事項(上記本人確認情報)
  • 取引方法・数量・金額
特に、盗品等の疑いがある場合は直ちに警察へ報告する義務もあります。古物営業法の趣旨から、帳簿記録は正確かつタイムリーに行う必要があります。

5.古物商許可申請の手続き

古物商許可申請は、管轄警察署(生活安全課等)を通じて都道府県公安委員会へ行います。基本的な流れは以下のとおりです:
  1. 申請書類の準備(申請書、住民票、略歴書、誓約書等)
  2. 申請書類の提出(警察署生活安全課等)
  3. 審査(通常30〜60日程度)
  4. 許可証交付
申請時には、営業所の所在地、扱う商品カテゴリー、管理者の情報を正確に記載する必要があります。また、申請料(各都道府県で一定額の収入印紙等)を納付します。

6.欠格事由(許可が得られない条件)

古物商許可には、法令で定められた欠格事由があり、これに該当する者は許可を受けられません。主な欠格事由は以下のとおりです。
  • 破産手続開始決定を受け復権していない者
  • 禁錮以上の刑または特定犯罪の罰金刑から5年を経過していない者
  • 暴力団員・構成員・反社会的勢力関係者
  • 古物商許可を取り消されて5年を経過していない者
  • 心身に重大な欠損があり営業責務を遂行できない者
  • 住居不定等で社会的信用が認められない者
法人申請の場合は、代表者及び役員が全員この欠格事由に該当しないことが必要です。

7.管理者の要件と役割

古物商は営業所ごとに管理者を選任しなければなりません。管理者は営業所の責任者として、本人確認・取引記録・帳簿管理等の実務を統括します。

7-1.管理者となれる者

  • 欠格事由に該当しない者
  • 成年者であること(未成年者不可)
  • 営業所に常駐して業務執行が可能な者
管理者は単なる名義役ではなく、日常的に営業の法令遵守を実施する中心的役割を担います。選任後は公安委員会への届出も必要です。

8.実務上の注意点(まとめ)

古物商営業を適法に運営するための注意点を整理します:
  • 本人確認・帳簿記録は最新規則に基づき必ず行うこと
  • 営業所は公安委員会が確認できる状態に整えること(現地確認含む)
  • 欠格事由は申請前に自己点検し、必要に応じて復権手続きを行うこと
  • 管理者は常駐して実務処理ができる者を選任すること
  • 法令解釈に不安がある場合は行政書士等の専門家に相談すること

9.まとめ

古物商許可制度は単なる営業許可ではなく、社会的信頼性の担保と盗品流通防止を目的とする重要な制度です。2025年の規則改正により本人確認義務や取引記録義務の対象が拡大され、実務上の負担が増えていますが、正確な法令理解と適切な体制整備により、安定した古物商営業の運営が可能になります。必要に応じて専門家の助言を活用し、コンプライアンス体制を強化してください。  

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