中古品・リユース品の売買や買取を事業として行う場合、日本では公安委員会からの古物商許可の取得が必須です。この許可は、単に営業を始めるための手続きだけでなく、その後の営業活動においても法令に定められた義務を遵守する必要があります。本稿では、古物商許可の取得手続きの具体的な流れと、許可取得後の主な法令上の義務(特に取引記録義務)について、2026年現在の法律・実務に対応した形で詳しく解説します。
1. 古物商許可とは何か
古物商許可とは、「古物営業法」に基づき、中古品や一度他者が使用した物品(いわゆる古物)を継続的に取り扱う営業を行う者に対して、公安委員会が付与する営業許可です。古物には、時計・宝飾品類、衣類、機械工具類、書籍、金券類など13の区分があり、どの区分を扱うかを申請時に指定します。 許可は警察署(公安委員会)への申請により行い、許可を受けなければ営業活動を開始できません。
2. 古物商許可の申請手続きの全体像
古物商許可申請は、主に次のような手順で進めます。
- 申請要件の確認
- 個人・法人の区分と営業所の決定
- 取り扱う古物の品目の選定
- 必要書類の準備
- 警察署への申請書類の提出
- 審査・許可証の交付
申請書類提出後、標準的な審査期間は概ね40日程度ですが、実務上は約2か月程度を見込むのが一般的です。
2-1. 申請要件の確認
まず、自身の状況が許可取得の要件に該当するかを確認します。古物商、営業所の管理者、法人の役員などについて、古物営業法に定める欠格事由に該当しないことが必要です。欠格事由には、破産手続き中または復権前の者、刑罰執行後5年を経過していない者、暴力団関係者などが含まれます。
2-2. 営業の区分・営業所の決定
申請にあたって、必ず「主たる営業所」を定めなければなりません。営業所とは、古物商が営業の本拠として利用する場所で、独立した実体が確認できる必要があります。バーチャルオフィスや専用スペースのないレンタルオフィスは営業所として認められないことがあるため、事前に管轄警察署へ確認することが望まれます。 また、事業として古物を扱う種類(13区分)のうちどれを主に取り扱うかを選択します。複数の区分を選択することも可能ですが、初回申請では取扱い予定の主要品目に絞るのが実務上のセオリーです。
3. 必要書類の具体的内容とポイント
申請に際しては、以下の書類を揃えて提出する必要があります。これらは原則として、申請先の警察署の生活安全課・防犯係に提出します。
3-1. 許可申請書
「古物商許可申請書」(古物営業法施行規則別記様式第1号)は、申請者情報、営業所所在地、取り扱い古物の区分、行商の有無などを記載する書類です。これは個人・法人ともに必須であり、各都道府県警察本部のウェブサイトから様式をダウンロードできます。
3-2. 住民票の写し(本籍記載)
本籍地の記載がある住民票の写しが必要です。特に法人申請では、役員全員と営業所管理者のものを用意します。外国籍の場合は本籍の代わりに国籍等の記載がある住民票を取得します。
3-3. 身分証明書(本籍地証明)
身分証明書は、本籍地の市区町村が発行する証明書で、欠格事由に該当しないことを確認するためのものです。運転免許証等とは異なり、「破産・成年後見等の状況」が記載されるものを提出します。外国籍の方は不要とされる場合がありますが、在留資格の確認が必要です。
3-4. 略歴書
申請者や管理者、法人の場合は役員全員の「過去5年間の略歴」を記載した書類です。職歴と住所歴を正確に記載する必要があり、記載漏れや空白期間があると審査で補正を求められる可能性があります。
3-5. 誓約書
「欠格事由に該当しない」という誓約を行う書類です。申請者、管理者、法人役員それぞれに対応した様式が用意されています。
3-6. 法人関連書類(法人の場合)
法人で申請する場合、定款の写しと登記事項証明書(履歴事項全部証明書)が必要です。定款の事業目的に古物営業を含めておくことが重要で、記載がない場合は定款変更と登記が先に必要になります。
3-7. URL等の疎明資料(インターネット販売の場合)
ウェブサイトやオンラインマーケットを利用して古物の取引を行う場合、該当するURLに関する使用権限を証明する資料(管理者名義等)が必要です。
4. 申請書類の提出と審査の流れ
書類が整ったら、営業所所在地を管轄する警察署の生活安全課防犯係に提出します。提出と同時に申請手数料として19,000円(印紙等)を納付します。 申請後の標準的な審査期間は40日程度ですが、書類不備や補正事項があると審査期間が延びることがあります。また、事前相談で必要書類や添付資料を警察署と確認しておくことで、スムーズな審査につながります。
5. 許可取得後の義務と取引記録
古物商許可を取得した後には、営業を適正に行うための複数の法令上の義務が課されます。この中でも特に重要なのが取引記録義務です。
5-1. 古物台帳の記載義務
古物商は、古物の取引(買取・販売・交換・委託販売等)ごとに、古物営業法施行規則で定められた事項を記載した「古物台帳」を作成・保存しなければなりません。取引年月日、相手方の氏名・住所、品目、数量、取引金額等を記録します。 この取引記録は、警察署の職員による査察や監査の際に確認される重要な資料です。記録が不十分であったり虚偽の記載がある場合、法令違反として指導や処分の対象となる可能性があります。
5-2. 犯罪収益移転防止法の適用
特に貴金属類等を取り扱う場合は、古物営業法に加えて犯罪収益移転防止法の規制も適用されます。この法律は、マネーロンダリング等の防止を目的とし、本人確認や疑わしい取引の報告などの義務を課すものです。
5-3. その他の届出義務
営業所を移転した場合や管理者・役員が変更になった場合、変更届出書を公安委員会に提出する義務があります。期限を守らないと、罰金や営業停止処分の対象となりますので注意が必要です。
6. 法令遵守の重要性と実務上の注意点
古物商許可は単にビジネスを始めるための手続きではなく、継続的に適正な営業を行うための枠組みでもあります。営業中に以下のような行為があると、許可取消や行政処分の対象となる可能性があります:
- 帳簿記載義務違反
- 事実と異なる申請や虚偽記載
- 営業所の実体がないと判断される営業形態
- 欠格事由に該当する者が営業に関与
これらに対応するため、申請前から営業後まで一貫して法令遵守の体制を整えることが重要です。行政書士など専門家の助言を得ることにより、申請書類の不備を減らし、審査期間の短縮や後のトラブル回避につながります。
7. まとめ
古物商許可を適法に取得し、安心して中古品・リユース事業を行うためには、以下のポイントを押さえておく必要があります:
- 申請前に欠格要件等を十分に確認する
- 営業所・取り扱い品目・管理者を明確に決定する
- 必要書類を正確に揃え、警察署への提出手続きを確実に行う
- 許可取得後の取引記録義務、届出義務等を確実に遵守する
このような一連の手続きと義務を理解し、適正な営業管理体制を整えることが、古物商として長期的に信頼される事業運営につながります。
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