古物商の必須義務|防犯三大義務と取引ルールを2026年最新法令で徹底解説

中古品を取り扱う事業者(いわゆる古物商)は、公安委員会の許可を受けて営業することが前提ですが、単に許可を取得していればよいというものではありません。盗品等の流通を防止するための「防犯三大義務」や、関連する他法令の義務を正しく理解して実務に落とし込むことが不可欠です。本記事では、古物商に課される義務とその具体的運用を警察通達や関係法令に基づき詳しく解説します。  

 

1. 古物営業法の目的と基本ルール

古物営業法は、盗品等の売買を防止し、被害の早期発見・回復を図ることを目的とした法律です。その趣旨は条文の冒頭に明示されており、警察庁や公安委員会はこの目的に沿って運用しています。 古物商とは、公安委員会の許可を受けて「中古品を継続的に売買・交換・委託販売」する事業者を指し、許可がないまま営業することは法律違反です。また、許可を受けた後も、法が課す義務を履行しなければ行政処分や刑事罰の対象となります 古物の定義は次の通りです:

  • 一度使用された物品
  • 新品でも一度取引された物品
  • 手入れや修理が施された物品

このため、一度取引されたゲームソフトや書籍等も古物に含まれます。その結果、フリマアプリやネット販売で継続的に売買する場合も古物商許可が必要となることがあり得ます。  

 

2. 古物商の防犯三大義務とは

古物商には、盗難品や犯罪に関連する物品の流通を防ぐため、いわゆる「防犯三大義務」が課されています。これは事業者として最低限守らなければならない義務であり、実務で最も重要な部分です。以下に詳細を示します。

2-1. 取引相手の本人確認義務

古物商が古物の買い取りを行う際には、取引相手の本人確認を義務付けられています。これには、取引相手の住所・氏名・職業・年齢を確認する必要があり、顔写真付きの公的身分証明書(運転免許証等)の提示を求めます。 本人確認は、犯罪被害品が取引されるリスクを減らすための措置です。対面だけでなく、通信販売や宅配買取など非対面取引の場合も、郵送書類による確認、オンラインでのビデオ確認等、法令に沿った方法で実施しなければなりません。

2-2. 不正品の申告義務(盗品等の報告)

取引対象の古物が盗品や紛失品等の疑いがある場合、直ちに警察官に申告する義務があります。この義務は「不正品申告義務」と呼ばれ、盗品等の早期発見と回収に役立つ制度です。法令上、警察官に対して速やかに申告しなければならず、申告しなかった場合は行政処分や罰則の対象になります。

2-3. 帳簿等への記録義務

古物の取引を行った際は、その内容を記録し、一定期間保存する義務があります。具体的には取引年月日、品目・数量・特徴、取引相手の住所・氏名・職業・年齢、本人確認の方法等を帳簿に記載し、最終記録日から3年間保存しなければなりません。 なお、「記録義務が免除される場合」もありますが、それは例外であり、特定の条件のもとに限定されています(例:総額1万円未満の少額取引等、ただし書類保存が免除されない品目もあります)。  

 

3. 防犯三大義務の具体的留意点

3-1. 本人確認の実務ポイント

本人確認に用いる書類は公的な写真付き証明書が望ましく、運転免許証やマイナンバーカードで行います。住所変更等がある場合は、更新後の情報を記録する必要があり、古物営業法とは別に個人情報保護法の考慮も必要です。 特にオンライン取引や宅配取引が増加している現在では、本人確認方法のルールが複雑化しており、郵送書類+本人限定受取郵便等の二段階確認を導入するケースもあります。違反すると、最大6か月の営業停止または許可取消し等の行政処分につながる可能性があります。

3-2. 不正品申告の実務対応

不正品の疑いがある場合は、取引を一時停止し、警察署に申告します。この際、盗難届出の有無や付随情報を確認し、可能であれば証拠写真等を添付することで申告が円滑に行えます。申告後、警察から保管命令が出る場合もあります。

3-3. 帳簿記載と保存の注意点

記録すべき情報は細かく定められており、帳簿は手書きでもデータでも構いませんが、外部から容易に削除・改変されないように保存管理が要求されます。帳簿には以下の事項が含まれます:

  • 取引年月日
  • 古物の品目及び特徴(型番、製造番号等)
  • 取引相手の情報(住所・氏名・年齢等)
  • 本人確認方法と使用書類

これらの記録は最終記録日から3年間の保存が義務付けられています。  

 

4. 他法令との関係|犯罪収益移転防止法の注意点

古物商は古物営業法だけでなく、状況によっては「犯罪収益移転防止法(犯収法)」の規制対象にもなります。特に貴金属や宝石、高価な金属等を扱う場合、200万円超の現金取引において本人確認や取引記録、疑わしい取引の届出が求められます。 犯収法は金融機関等と同様、対応が義務付けられるものであり、古物営業法とは別個に本人確認記録・保存や疑わしい取引の届出が必要です。なお、オンライン取引や対面以外の取引においても適用されます。  

 

5. その他の古物商に課せられる義務

古物商には、上記三大義務以外にも多数の義務があります。代表的なものを以下に示します:

  • 標識提示義務:営業所に古物商の許可標識を掲示する。
  • 変更届出義務:営業所・代表者・管理者の変更等は公安委員会への届出が必要です。
  • 営業所外での取引制限:営業所以外での取引は「行商」として事前申請等が必要な場合があります。
  • 保管命令対応:盗品等の疑いがある古物は警察から保管命令が出る場合があり、従う必要があります。
  • 立入検査対応:公安委員会は営業所への立入調査権限を持ち、拒否・妨害は処罰対象です。
  • 名義貸し禁止:自己の許可を他人が利用して運営させることは禁止されています。

 

6. 違反時のリスクと処分

古物営業法違反や防犯三大義務の違反は、警告・営業停止・許可取消しに加え、刑事罰の対象となることがあります。例えば、本人確認義務違反に対しては、公安委員会による営業停止や許可取消しがあり、許可取消しを受けた場合は5年間新たな許可が得られないという重いペナルティもあります。 盗品等を取り扱った場合は、刑法の「盗品等有償譲受罪」が適用される可能性があり、懲役刑等が科されるケースもあります。  

 

7. まとめ:信頼ある古物商営業のために

古物商の営業には、単なる許可取得後の販売行為だけではなく、盗品等の防止と消費者・社会の安全を守るための義務が多数課されています。防犯三大義務、他法令との整合性、届出義務や標識表示義務等を確実に実行することが、信頼ある営業の基盤となります。 取引実務や帳簿管理、本人確認ルールはケースごとに異なるため、内部規程の整備と教育を徹底することをお勧めします。    

 

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